2012年02月号 緑内障について
[当院からのお知らせ/医療の現場から]

あさひ総合病院 眼科 渡辺このみ 医師
平成12~13年、一般市民を対象に、緑内障疫学調査が行われ、その結果、40歳以上の人口のうち5%(20人に1人)で、緑内障を有し、予想以上に緑内障が多い事がわかりました。さらに、その80%の人たちが自身では緑内障に気づかず、未治療であったこともわかりました。
緑内障は、視神経が障害され視野(見える範囲)が狭くなる病気で、我が国では成人の失明原因の1位となっています。眼圧の上昇がその原因の一つと言われていますが、眼圧が正常範囲にもかかわらず緑内障になる人もおり、正常眼圧緑内障と呼ばれています。そしてこの疫学調査から日本人の緑内障の約7割が正常眼圧緑内障であることも明らかになりました。
一般的に緑内障では、かなりの期間自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行している事が多くあります。したがって緑内障においても早期発見・早期治療が大変重要です。一度障害された視神経を元に戻す方法はないので、病気の進行を食い止める事が目標となります。高眼圧、あるいは正常眼圧であっても、眼圧を下降させることでその進行を抑えることがわかってきています。
自分自身で眼を守るという自覚を持ち、早期発見の機会となる健康診断を積極的に利用するなど、少なくとも年に一度は、定期健診を受けましょう。
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